【書評】なぜ高校の主席は億万長者になれないのか?
この記事は、著者エリック・バーカー「残酷すぎる成功法則」の内容に則って書かれております。
ネタバレ、感想が見たくない方、これから読む予定の方などは見ないほうが良いかもしれません。
この本に関して
この本の表紙は上の写真の通りなのですが、実はこの本350ページ近くあり固い紙を使っているので結構分厚い本です。
色々なストーリーなどに加え、様々なエビデンスが書かれているのですが大体1つのエビデンスにつき、2〜4ページほどなのでかなり豊富な種類の内容が書かれていて読みごたえとしてはバッチリです。
この情報量の豊富さで、本体価格が1,500円+税なので、あまり高いとは思いませんでした。
本屋などで見かけたら、ぜひ一度手にとって確かめていただけると、その情報量の多さを実感していただけるかと思います。
それでは内容の方に移っていきましょう。
高校を主席卒業した人々のその後
学校主席と聞いてから頭の良さそうな人を想像することは、実に容易いでしょう。
この本は、ボストン・カレッジの研究者であるカレン・アーノルドが1980年代〜1990年代にかけてイリノイ州の高校を主席卒業した81人のその後を追跡調査した結果が書かれています。
誰でも上の方を歩いている人たちの人生というのは興味が湧くのではないでしょうか?
その追跡調査の結果からいうと、彼らの95%が大学に進学、大学内での平均成績はGPA3.6であり、さらに60%が大学院の学位を取得していた。
全体の90%が専門的キャリアを積み、40%が弁護士、医者、エンジニアなど、社会的評価の高い専門職に就いていた。
つまり、彼らは堅実であり、人々からの信頼も買い、社会への順応性も高く、総じて恵まれた暮らしをしていた。
しかし、1人として彼らの中に世界を確変したり、世界中の人々に感銘を与えたりするようになった人はいない。
では、これは何故なのだろうか・・・
どうやら主席を取るようなタイプの人は、先見の明を持ってシステムを変革していくというよりかは、どちらかというと既存のシステムの中に収まっているようなタイプらしい。
必ずしも主席=賢いではない
学校のテストは必ずしも、頭の賢さを測るのに適しているわけではない。
IQなどのその人本来の賢さを測るには、全国模試などのテストの方が向いているらしい。
学校のテストはそういった賢さではなく、自己規律、順従さ、真面目さなどを顕著に表してくれるものである。
また、学校主席ということは全ての教科において上位をキープしなくてはならない。
つまり、一つの科目に特化して勉強したりするなんてことは出来ないのである。
これがそのまま、一つの分野において飛び抜けて成果を出すこととは相反し、特定分野で抜き出ることが難しくなっているとされる。
学校と人生のスケールの違い
学校には明確なルールがあり、それに従って動くことになるが、人生となるとそうはいかないのである。
ルールに従って生きるという生き方は、長所に見えて、実は両極端の人間を消してしまっている。
概ね、安泰で負のリスクを排除する代わりに、目覚しい功績の芽も摘んでしまうのである。
ルールに従い、常に安全策を取っている者が頂点を極めないのなら、一角の成功者になるのは一体どういった人たちなのだろうか・・・。
最後に
お読みいただきありがとうございました、この本はまだまだ紹介していきたい内容があるので、随時更新していきたいと思っています。
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